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ベイトタックルにPEライン、そしてトップウォーター・プラグで管釣りの鱒に挑んでいます。 鱒は’05年12月の終わりから始めました。基本的に雑誌に頼らず自力で頑張ってます。

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Posted by naturum at

2010年08月21日

ZEAL HEPTA 【旧Abuに似るもの】

長らく更新もせずにスミマセン。生存報告みたいな頻度をお許し下さい。

ZEAL HEPTA (ヘプタ)
ZEALのリールと言えば「アライくん リール」が思い浮かぶでしょ?
ヘプタなんて知ってたら「立派な変人」である。

私を含め・・・、

持ってる人はおそらく変態である(笑)



重さは 290g。俗にいうAbuの5000番台クラス。
昔々はバスの標準的ベイトリールのサイズだったが、実を言うと私はこのサイズの丸を買ったことがなかった。
新鮮味のあるロープロ・ハイギヤに飛びき、その後の興味も小型・軽量へ向かっていて目に入らなかったのだ。

これを購入したのは2008年3月。ZEALが倒れたあの日の2日後である。
買いに走ったのではなく、相模原にある古本屋で偶然見つけたのだ。
新品未使用が5つと、ノーマルドラグ版が1つ展示されていたと記憶している。
店員に聞くと、数日前に買い取りした事を教えてくれた。
ZEALの倒産は知っていたからワケあり品だとピンときた。

もし壊れても修理すらままならないリール。

しばしその場で考えた。
HEPTAにしかないセミダイレクトのバックトルク装置(ドラグのようなもの)付きのリールは、多分もう二度と発売されないだろうと。
独特のファイトを楽しめるであろうこのリール。
もうちょい小型で軽くなったら飛びつこうと思っていたが、次は無いのだ。



バックトルク装置とセミダイレクト
ドラグはハンドルを逆転させずにラインを送る機構だが、HEPTAの紹介文にある「ドラグのようなもの」はハンドルを逆転させたときの逆転トルクを設定できる機構だ。
そもそもセミダイレクトとはキャスト時にクラッチの機構でハンドルは逆転しないが、一端クラッチが入ってしまうと巻き取る方に関してはリジットでグリグリ巻けるが、いざラインを送り出そうとする場合、ハンドルから手を離すか何かしてハンドル逆回転をさせる必要があるスタイルのこと。



スピニングリールで書くと分かりやすいが、ストッパーをOFF(逆転可能)にしてドラグを目一杯締めた状態を想像して欲しい。
ベールを起こせばラインを放出できるが、魚が掛かった状態でラインを送るにはちょっと難しい。
ハンドルから手を離してラインを出すと、勢いが付いた後にくるのは、ぐちゃぐちゃのバックラッシュ(ライントラブル)なのだ。

以前、スピンキャストのabumaic475で試した逆転ストッパー外しがこれと同じ動作をするのだが、abumatic は駆動系の抵抗の大きさで良い具合にブレーキが掛かってライントラブルが起きない。

駆動系の抵抗が大きいのはオモシロくないが、HEPTAみたいに逆転時のバックトルクを上手く設定しておけば魚が掛かってからのバックラッシュを恐れることなく、巻きたいときはリジットでグリグリ!送りたいときはクラッチを切らずに自由自在なラインワーク!で楽しめそうなリール間違いなしなのだ。



実戦での体験は◆予想外の仕打ち
思った通りに行かないのは何でも同じかもしれないが・・・。
最初に試したのがたまたまワームだったのも災いしたか、グッ!と竿で合わせた瞬間右手の甲をしたたかハンドルに叩かれて大慌てしてしまった。
ラインが引かれるときにノブをしっかり握ってないと指の間からノブが逃げ去り、半回転して回し蹴りがごとくやられるのだ。

気をつけていたが2回目は多摩川本流のニゴイにやられた。
川の流れにスピナーをフォールしてクラッチを入れて羽を開かせた瞬間、ガツン!と喰ったニゴイは流れのパワーも手伝ってリールのハンドルを何回転も逆転させて、これでもかっ!というくらいの連打をくれた。
余りの痛さにうずくまりそうになるのをこらえてファイトしたが、これ以降逆転トルクを強めに設定し直した。

ギヤ比6.1:1がどれほどのトルク増大になっていたのか身を以て体験するまで分からなかったのだ。

標準の丸いノブと短いハンドル(70mm)もノブが逃げやすくて、ついに昔のTD-Sからハンドルを取って付けてしまった。
一番上の写真のハンドルの色がおかしいのはそのためだ。

平たいノブと80mmハンドル+逆転トルクを強めにしたことで、それ以降はハンドルの回し蹴りを喰らっていないが油断大敵でいつも気が抜けないのだ。

2回の回し蹴り事故?は文字通り「手痛い」仕打ちだったが、セミダイレクトのファイトの楽しさは予想以上と言っていい。
特に動きが遅目のトルクのある重い魚には向いている。
ベイトリールにおいて巻こうとしてドラグが滑って巻けない状態というのはこれ以上ないストレスである。
スピニングリールと違って駆動系が動かないので、こういうスカを喰らった状態は実に虚しいのだ。

セミダイレクトは下手にドラグが利かない分だけ竿のトルクも抜けないし、逆転時のスムーズさは今までに無いくらい滑らかなのだ。
多板のスムーズなドラグでもしゃくりはあるが、こいつはまったくしゃくらない。

もちろんハンドルから手を離す必要はあるのだが・・・。



旧Abuに似るもの
ベイトキャスティングリールを提供する会社は今も昔も驚くほどに少ない。
今現在、供給している会社を10も言えたら凄いと思う。
どうしても売れない(売りにくい)商品なのは間違いないんだと思う。

’90年代に迷走したAbuも今ではクラシカルな丸型を復刻版を供給し続けている。
DaiwaにしろShimanoにしろ現在のabuにしろ、その他の中小零細も旧Abuに似るものをラインナップするのは、それだけ旧Abuの存在が偉大なのだ。

宣伝では丸形ならではの削り出しの高剛性とか高精度とか良さげな謳い文句を色々見るけれど、私が使っている範囲ではロープロのリールで剛性不足を感じたこともなければ、精度不足を感じたこともない。

どっちかって言うと、

古臭いAbuのギヤ比が嫌い!
古臭いAbuのクラッチがめんどくさい!
古臭いAbuの背の高さが無駄!
古臭いAbuの重さが疲れる!
古臭いAbuの変わらなさ(デザイン)が困る!

みたいな以前からあった不満の部分を「旧Abuに似るもの」が請け負っているような気さえする。
新しい試みが丸形に先に搭載されたのはShimanoのDCくらいしか記憶になく、丸形は旧Abuをオーディオ機器のような金属的ビジュアルに焼き直しているようなそんな気がしてならないのだ。



HEPTAも旧Abuに似るもののひとつであるワケだが、今後作られることはもうないだろう。
セミダイレクトのバックトルク装置は、ナマズや鯉のトルク系ファイトを楽しむには最高だと思う、また登場してほしいと思う機構だ。



ZEALもザウルスも悲しい知らせが続くが、
そこに諸行無常を感じずにはいられない今日この頃なのである。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 16:50Comments(22)ベイトリール

2010年02月15日

時空系機構学【ベイトリールの構造】

時空系な人たちに贈る・・第二弾
以前記事にした 時空系チューニング【ベアリング減らし】 は、5BB機種のスプール不調を簡易に回避する方法として紹介しましたが、予想外に反響が大きく(1938PV)、世の中には時空系で奇特な人々が多数存在することを知りました。

今回はベアリング減らしとは趣向を変えて、元々の構造的な部分(機構)を掘り返して行きたいと思います。

くれぐれも無茶な改造などなされませんように!(笑)




'80年代前半のベイトリール
まずは歴史から・・・ABUもそうだったが、ABUの模倣品たる当時の日本製品もスプールにはシャフトがあり、その両端を2つのボールベアリング(BB)ないしはブッシュで受けていた。
スプール両端の2BBへの要求が最も高いことは今も昔も変わらない。

【クリックで拡大:BB=赤】



クラッチを切って分離される部分、
メインギヤやハンドルのベアリングはキャストに影響しない。
スプールを2つのベアリングで受ける・・・これが全ての基本形。





'80年代後半登場の5BB(スプール軸3BB)
私が手にしたのはDaiwaだったが、TEAM DAIWAのTD1-Hiは当時としては驚きの5BBを搭載していた。
当時の高級機の多くは、スプール2BB, メインギヤシャフト2BBの合計4BBが主流であり、1つ増えたのはどこ?それは何故?といった興味で喰い付いた格好だった。

スプールシャフトをたわませないための3点支持。(当時の売り言葉w)

【クリックで拡大:スプールBB=赤】



だけど、メカニカルブレーキ側のBBは、シャフトとベアリングの隙間が広く取られていてBBとしての役割は果たせていない感じ。



そもそも1つの軸を3つのBBで受けるのは無理が多く、3つめのBBに役割があるとすれば、強い力が掛かったときのストッパーか、ベアリングが他の高級機より1つ多いというスペック上の利点だろうか?

もっとも後者の役割の方に私はやられた口だったが・・・。




スプール軸3BB機種のBB外しの問題点
上記5BBについてはDaiwa以外にも多くのメーカーが採用してた。
バスブーム期にはベイトリールの標準的ベアリング構成だったと記憶している。

カルカッタ50XTを2台持っているが、購入当初の「とても滑らか」「シルキースムーズ」という印象は、使い込んでいくと2台ともキャスト時の印象が変わってしまった。
スムーズさに慣れたとかそういう類のことではなく、明らかに飛距離は落ちフィーリングは悪くなっていた。

経年変化でどこかに余計な力が掛かっているとして、それを逃がすことは出来ないだろうか?
そのアプローチが時空系チューニング【ベアリング減らし】

結果的にはメカニカルブレーキ側のBBを外したところでフィーリングが戻ったが、これは根本的な解決方法ではない。

本当ならばスプール(ギヤ側)のBBを新しいのに換装したかったのだが、ピニオンギヤと噛み合うピンを抜くのは容易じゃないと諦めて、手軽に出来るメカニカルブレーキ側のBBを外したのだから・・・。

もしピニオンギヤと噛み合うピンが抜けても、そのベアリングを抜きにするのは問題がある。

メカニカルブレーキ側のBBはシャフトとの隙間が大きすぎてガタガタになってしまう予想がつくからだ。

(隙間の分かる絵)




☆shimano流KAIZEN
分解図を見れば今でもスプール軸に3つベアリングが配置されているのがshimanoだが、クラッチを切ったときには2BBで受けるギミックがshimano流KAIZENだろう。

5BB時代、スプールにあったBBは

 ピニオンギヤのところに移動している。

【クリックで拡大:BB=赤:部品番号53】


ギヤが入っているときは3つのBBがシャフトを支える。
クラッチを切るとピニオンは右に移動しスプールから切り離される。
このときシャフトの微妙な段差を利用してピニオンはシャフトから浮く。
キャスト時は両端の2BBのみが回転し、ピニオンのBBは動かない。

この方式になってから、
メカニカルブレーキ側のBBとシャフトはノーマルな寸法に戻った。

【イメージ図:クリックで拡大】


【キャスト時:2BB(赤)のみがスプールシャフトを支持】



ピンが邪魔でスプールから取り外せなかったBBが、交換可能な位置に移動してくれたことは純粋に嬉しい。
メカニカルブレーキ側のBBもノーマルな寸法でシャフトと組み合っている。
釣行ごとのオイルアップは両端の2BBのみ行っているが、スプールを外さなくて済むところは、ぐうたらな私には素敵としか言いようがない(笑)。




☆Daiwa流KAIZEN
こちらも分解図から

【クリックで拡大】


Daiwaの場合は長いシャフトをやめて、スプールとピニオンは2本に分割されたシャフトに乗っている。
機構として実に論理的なKAIZENであり、作る立場にあるならこの機構をお手本として崇めるだろう。

クラッチが切れたときの動作は単純明快なのでここでは省く。

最大の特徴はメインギヤシャフト(メインギヤ)を2つのベアリングで支え、ピニオンを2つのベアリングで支え、スプールもまた2つのベアリングで支えていること。(合計:3シャフト/6BB)

【イメージ図:クリックで拡大】


これが持つ意味は、
メインギヤとピニオンギヤの位置がいつでも明確であること。
それぞれのシャフトと軸受けの役割がハッキリしている。
スプールシャフトを短く出来てたわみや歪みに強い。

工業系出身者としてはとてもスッキリする回答である。

というわけで設計は満点!ただし気になる点がなくはない・・・。
スプールBBのオイルアップにスプール外すのがめんどくさい!とか、
スプールに付いてるベアリングを交換する日が来たらどうしよう・・・とか、

・・・ぐうたら&余計な心配と言えばそれまでか。




番外編?ウルトラキャスト・デザイン
既に新機種への採用は無いのかな?時代的にも番外編。
どちらかというと個人的失敗談かも・・・現物行方不明で写真なし。

ウルトラキャストデザインは’80代後半から始まったとてもチャレンジングなABUの試みのひとつ。
ピニオン部分からなが~いシャフトが伸びていて、それにスプールを串刺しする構造。
スピニングリールみたいにシャフトがあって、それにスプールがはまると書けば分かりやすいか。

長らく改良を重ね良くなっていったらしいが、私が持っていたのは 521XLT Sprint なる初期の作品。521系はパーミングカップ側に取っ手になるドアがあり、それを開けて90度回転させてパコッ!と外せる蓋があった。
両軸受けだから、ここになが~いシャフトを支えるブッシュがあった。

・・・この蓋がキツく閉まれば評価も違っただろう。
とにかく蓋の建て付けが悪く、閉まり具合がミニカーのドアみたいな具合。

両軸受けの片方の軸がこんなだと。

ベアリング云々よりも、投げても巻いても蓋が細かく動いてしまい、
521XLT Sprint はいつもグラグラ不安定なリールだった。

個人的には機構のアイディアとしては秀逸だったと思う。
(蓋の設計はともかく)
貫通シャフトが回らないというのは、要求の異なるピニオンギヤ(低速回転)とスプール(高速回転)をそれぞれのBBで同一シャフトに同居できる仕組みであり、考え方そのものはシンプルで無駄がない。
( スピニングリールはローターとドラグが同一シャフトに同居する)

話はそれるが、スピンキャストをウルトラキャスト方式でスプール回して巻き取りするなら、ピックアップピンの機構ををどうするかはともかくとして、是非とも一台欲しいところだ。
( 新たなチャレンジを受け止める意味も含めw)




結局どれがいいのか?機構を知る意味は?
結局どれがいいのか?・・・その結果を知りたい人は多いだろう。
Webやカタログに記載された情報だけでは判断しにくいし、ちょっと使ったくらいじゃベアリング機構なんて評価できるはずもない。

新しくどれを選ぼうか?という視点なら、

この記事の意味は無きに等しい。

新品に機構部分のフィーリングの違いを感じる事はまず無いだろう。
そして問題がない新品をバラしても、そこで得られるものはほとんど無い。
使い続け不具合を感じるようになり、それを改善しようと思い立ち、そこからようやくベアリング機構云々が始まると言った方が自然なくらいなのだ。

機構を知る意味は、

ユーザーである限り、使い続けたリールの不具合を

自力で改善する手立てに過ぎないのだ。


  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 20:15Comments(12)ベイトリール

2010年01月17日

黄色のPixy+偽バンタム・インプレ【フィーリング】

ふわっと握ってブランクを振る竿
ブランクスルーのリールシートを使い始めたときは、グリップが真っ直ぐであることに恩恵を覚えた。

力んで投げても右に行かない。

陸っぱり少年の意地とプライドに『誰よりも遠くで魚を掛けたい』というチカラ勝負な部分がある限り、ブランクスルーで真っ直ぐなリールシートの方が、力のこもったスイングを受け止めてくれた。
年月を経て、あれれ?なおじさんになった今になって想い出すのは、大昔のカッチョエータックルを持ったおじさん達は、もっと軽く、全く力まないで、ふわっとしたスイングで充分な飛距離を出していたことだ。

同じ事柄を、筋力じゃなく技で解決できるならそっちがスマートだ。

この角度が『あえて』つけてある意味はきっとリールの高さ以外にも・・・


この竿はグリップを力一杯 わしづかみしちゃうと右に飛ぶ。

コツはブランクの中心線を意識して、スイングと共にねじられていくグリップを小指の握り加減で綺麗に振ってあげること。
ふわっと握って振り始めたら、スッと小指に力を入れていき、最後にピタリと竿先を止めてあげるのだ。



王禅寺、最初の1時間
今年のトップウォーター・パターンはどうだろうか?
そんな期待と不安の混じったお出かけ前の気持ちとは裏腹に、見た目の状況はあまりにも平穏だった。

14:25、晴天、風無し、ライズも・・・なし(clickで拡大)


いきなり遠くに投げるようなことはしない。
久しぶりに軽量キャストをするんだから、メカニカルブレーキとマグVブレーキを調整しつつ、PEラインに適度な湿り気を与え、自身の感覚を呼び起こすところから始めた。

サミー65 白、・・・全くもってキャストのみ良好(笑)。
マグブレーキのダイアルだけが決まった(4~5)

さてさて、もう全然分からない状況。
シケイダーで状況の整理から始めることにする。
普通のリトリーブ、早めのリトリーブ、リトリーブ中にアクションを追加。
三角波の先頭に虚しく羽ばたくシケイダー・・・。
スローに引いていくとポツリと空かしバイトが・・・、哀れ・・・(悲)

人の悪いばるたんさんが、この哀れなバイトを車から見た!と、
とてもタイミング悪く登場、計算だろうか?


ところで、シケイダーを投げていて気が付いたが、ガングリップの竿には意外なくらいマグVブレーキは感じが良い。
強く握らないでふわっと投げるキャストだと、スプールを加速している時間はビュンと投げるときの倍くらいはある感じ。
リリースから振り込んでいる間の竿が踏ん張れる感じが遠心ブレーキよりあるため『長く持っていられる感』が飛距離を生んでくれる。

シケイダーのブレーキは(5.5)、小刻みにブレーキ設定を変えられる気安さは安心感。
ブレーキダイアルの方向が、スコーピオンMgと逆で強くしようとして弱めたり・・・ってな失敗はあったが気付けば後は問題なし。

ブランクスルーの竿でマグVに感じていたモッタリ感や最後の伸びの無さは、飛距離を得ようとブンブン振るためにブレーキ設定が強めだったことも関係しているようだ。

今回は長く持ったようなスイングでじっくりと回転を上げるから、ブレーキ弱めでもキャスト直後のバックラッシュとは無縁。
その上弱めのブレーキ設定はマグのモッタリ感を弱め、キャスト後半はPEラインの風流れを押さえてくれて微妙なサミングもほとんどしなくて済んでしまう。

遠心とマグVのキャラクターの違いと言えばそれまでだが、
有効な活用法が今まで見えなかっただけにこれは収穫。

釣果の収穫は全然無いので、ルアーチェンジを繰り返しているとキッカケになるルアーが遂に出た。

イエローマジック 6cm (7gくらい)

ポコン、ポコン、とポップしていくとバイトが増え、

それに釣られたかのように周囲はライズの嵐に!!!

多少喰うには良くない大きさなのか?ヒットにはつながら無いが、魚たちの注意を一気に水面に引きつけた。




ファーストフィッシュまでの時間とゲームの時間
そこでDUELのチビポッパーに切り替えるとようやくヒット!

15:14、待望のファーストフィッシュ!


スタートから約50分!!

魚のたんまり入った管理釣り場で一尾を釣ると言う意味では、

『ずいぶんと長い時間だ。』

普通の人ならトップウォーター・プラグなんてとっくに諦めて
自信のある他のルアーを投げるだろう(笑)

「たった一匹釣るのにそんなに時間をかけて、
 残り2時間ちょっとで何匹釣れるのさ?」


至って合理的な質問だろう。

「今日はこの一匹で終わりかも?(笑) わはは!」

今ならそう笑って答えられる。
他のルアーならともかく誰も投げていないようなルアーはここからが違う。
注意を一端水面に向けることさえ出来れば、そこからはかなり余裕で釣り続けられる事が多い。

ポップに激しくリアクションするのを確認して追試をしていく。
こうなると、2連続、3連続は当たり前。


他のルアーの適合具合を試し、本当にポップが良いか?を更に確認。
釣れたのは全部25cmくらいのニジマスOnly。
短く強いポップ、動く!止める!がハッキリするほどリアクションも強くなった。


ただし、明らかに釣れるようになるとゲームは終わり。

別に時間が来たワケじゃなく、30分も釣れ続ければゲームは段々と漁獲作業に近くなってしまうからだ。

最初の一匹を期待したあの感じはどこかに消える。

池がリセットされて初めて訪れた王禅寺だったが、実を言えば今回のパターンは旅人さんの釣行記から多少の予想はしていた。
同じ時間帯にほとんど同じ手順で進めたとはいえ、ルアーやアクションのパターンについては全く同じ結果に嬉しくなった。

特殊なスタイルで他の情報が当てにならないと書いたこともがあったが、それは既に遠い昔のことのようだ。



黄色のPixy+偽バンタムのフィーリング
キャストに関してはタックル自体が羽のように軽く、おかげで握りしめること無しにゆったり振れるバランスは、今までの組み合わせの中では抜群と言っても良い。

自己基準に「あれれ?」とマッチしてる

ヒット~フッキングの間に影響するギヤ比(1:5.8)も、ミリオネアST-1000(1:5未満)やカルカッタ50XT(1:5.0)からすると、忙しくなく25cmのトラウトが引っ張られてしまう分を充分に巻き取ってくれた。

竿でためすぎると口切れするのか?
竿をグイグイ曲げてやるとこれでもか!?というほどバラシを連発したが、竿の良い角度を見つけてこちらも解消。

作成時にニューガイドコンセプトとは異なるガイド間隔(曲げたい箇所を作るため)を設定した分、曲げすぎるとラインの角度が強くなる部分が効率を落とし、ある程度曲がるとハンドルからの入力でドラグが滑りやすいが、偽ELESEと同じブランクでもっと曲げたい設計思想なのでそこは仕方なし。

ELESEから始まりパワーを落とした偽ELESEの2つは、TBSリールシートを深く握ってブンブン振れるタックルだったが、ある意味力んで投げますよ!って前提からは逃れられなかった。
ブランクスルーのリールシートしかり、ニューガイドコンセプトしかり、ブランクのパワーを余すところ無く引き出す思想は、方向に関するコントロールをキッチリさせて、細身の軽いブランクを攻撃的に仕上げてくれた。
結果スイングを速くすることができて軽量系の飛距離は伸びたが犠牲にした部分もある。


利点ばかりを追っていたら、いつしかリリースポイントは限定的でルアー飛翔速度が速くて飛んでいる間が忙しい・・・という釣果を追うことばかりに向いた心理的な余裕を失っている部分。


黄色のPixy+偽バンタムのフィーリングは、まさしく今まで余裕の少ない自分を見直すだけの感触を与えてくれた。

 ほんの5%くらいの飛距離と引き替えに、
  力まずゆったり振れるための良さ。
  リリースポイントが広いおおらかさ。
  ゆっくり飛ぶ分サミングの緊張感の少なさ。

軽量トップウォーター・ゲームを楽しむための要素は、釣ること意外にもフィーリングを楽しむ部分はあると思う。


パターン構築プロセスも更にゆる~く楽しめそうです!

<最後に>
お忙しいところ現場まで見にきてくれたばるたんさん、いつもありがとう!
事前にアクションパターンを書いて下さった旅人さんに感謝!
そして、長文をいつも読んでくださるみんなに感謝!!
ほんとうにありがとう!


※ あくまで自己基準の旧式な仕様ですので、ブランクスルーでスタートした方には角度のあるグリップは相当の違和感があると思われます。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 03:15Comments(4)ベイトリール

2010年01月11日

黄色のPixy再び管理釣り場へ【久々登場】

あけましておめでとうございます。
久々登場はDaiwaのベイトなのか、三ツ木左右衛門自身なのか
区別が付きにくいのをどうかご勘弁下さい。<(_ _)>

前置き【Daiwaの小型ベイト】
’80年代前半、Daiwaのベイトキャスティングリールには大きく分けて3つの系統があった。

大きいミリオネア、小さいミリオネア、ファントム・・・・。

ABUの5000番台そっくりな大きいミリオネアは、三ツ木少年の手にも財布にも余る感じで選択肢ではなかった。
ファントムは当時最新鋭の高級機で、
少年の財布では諦めざるを得ない機種。
必然的に選択肢はファントムの半額ぐらいの「小さいミリオネア」であり、カタログ上の小さな一角に掲載された3機種くらいが目標だった。

身近な少年達も「小さいミリオネア」は妥当な現実だった。
安いクローズドフェイスからステップアップしたいのだから、ファントムの半額という価格に惹かれる。
なんたってプラグが根掛かりしたら泳いででも回収に行くような貧乏性なんだから・・・。

身近な釣り友達がミリオネアGS-1000~3000ユーザーになると、一緒に釣りに行って少し持たせてもらったりもした。
ようやく手に入れたミリオネアST-1000は、ベイトリールの重さもバランスもこれしか知らない状態で

コレが自己標準!!




最初に手に馴染むまで使った道具は、どうあがいてもそれが自己標準。
頭では忘れていても、体にガッチリ染みついている記憶。
長く自転車に乗っていなくても乗り方を忘れないような、そういう根っこの部分の説明しにくい暗黙知。

そんな自己標準を多分みんなそれぞれ持っている。
そして同じ感触にたまたま出会ったときに、「あれれ?」と甦る。



3年置き去りだった黄色のPixy
日付を見て愕然としたが、次のカンツリで使うと書いた黄色のPixyをアクシデントでラインを別のリールに巻き替えたため見送り、その後3年置き去りにしていたのを発見した。
もちろん忘れてはいなかったが、その後バス用に20lbPEを巻いたため管理釣り場に持ち込むことなく、新しい竿と他のリールの組み合わせを見ていて、そもそも釣りにあまり行かなくなったりが重なって気が付いたら3年の月日が経過していた。

当時、オリヂナルロッド作成に踏み切ったこともあり「タックルそのもののセッティング」を先にやってた事情もある。(偽ELESE)
そうこうする内、ガングリップの偽バンタムを製作し琵琶湖に持ち込む際に手持ちのリールを合わせてみて驚いた。

例の「あれれ?」が出てしまった。

【絵だけじゃ絶対分からない感触がもどかしい・・・】


20lbPEを巻いたのもあって飛距離は出なかったが、振り抜きの感触は安物のグラスロッドにミリオネアST-1000を乗せた感触を再び呼び起こす感じがした。
三日間使い倒してその感触を確認した。

次はもちろんミリオネアST-1000と偽バンタムを組み合わせてみた。
例の「あれれ?」は再現するのだろうかと。

ミリオネアST-1000のキャストフィールは驚くほどにポイントが掴みやすくてノスタルジーに浸れた。
1.2gのスプーンを苦しむことなく投げられたのに驚いた。
ただ、当時の竿とブランクが全然違うせいなのか?
リールのヒビが気になってビビりキャストなのか?
それとも記憶が美化されすぎているのか?
これはもう微妙な部分の確認はせずに
想い出の品が壊れる前に大事に仕舞っておくことにした。

ここからはリールの購入順で試していく。

カルカッタ50XTは90年代のバスブーム期に久々登場した小型ベイトで、一目惚れして(二台も)買って、長らく現役で使っていたものだ。
2005年末に管理釣り場のトラウトに使っていたが、王禅寺のモンスター戦頃からキャストフィールが悪くなって眠らせていたリール。
時空系チューニング【ベアリング減らし】で調子を取り戻してようやく使うことが出来た。
フィーリングについてはそこそこ良いが、比較相手がST-1000やPixyという極端に軽いリールと極端に軽い竿の組み合わせのバランスのせいか重さが気になった。(それでも50XTはたったの185g)
ST-1000やPixyの常にふわっと握っていられた感じが消えた。

そして管理釣り場のトラウトに使わなくなった理由を思い出すことに・・・。
金属リール冬は冷たすぎ・・・(以下中略...)

スコーピオンMg1000+偽バンタムはもっと馴染まなかった。
175gというスペックはカルカッタ50XTより馴染みそうに思えたし、同じブランクの偽ELESEでは素晴らしくマッチングしてるから、結構期待して持ち込んだのだ。

偽バンタムとのフィーリングは、
ガングリップのオフセットとサムバーの位置が合ってない。(ヒネリ感あり)
ノスタルジー風味付けのガイド間隔では遠心ブレーキの抜けが良すぎて竿が踏ん張る前にラインが出ていく感じがする(回転が上げられない)

メタマグ+偽バンタムは、なんと装着すら叶わなかった。

・・・と、ここでようやく一巡。
4lbPEにラインを巻き替えたPixy+偽バンタムの出番は近日中の予定。
ドラグのお題は・・・・、大きいのが掛からない限り判断不能である(笑)



6:3:1に美化された記憶
人間楽しく生きるために記憶を美化する脳の仕組みをTVで見た。
島田紳助の番組だったと思うがそこは定かじゃない。

脳に残る記憶の内、
6割は楽しい記憶
3割が辛い記憶
1割がその他の記憶・・・・だと。

短所すら長所に変換するポジティブシンキングがどこかで起こるのだろう。
そういう記憶の美化は悪い事じゃないが、昔々に手に馴染んだ道具を久しぶりに使ったときにギャップにガッカリするなんてのは良くあることだ。

Pixy+偽バンタムで、例の「あれれ?」を感じる幸運。
20年以上前のかなり美化された記憶に近い感触を得られる事自体とてもラッキーな事だと思う。

【ブランクとリールには20年分の進歩がある】




リールシートとベイトリールの関係
今でも良く中古屋で見かけるが、80年代後半にDaiwa独自のブランクスルーのリールシート(グレーのEVA)を手に入れた。
直線的な外観はともかく握った感じはオフセット感があり、力んで投げても真っ直ぐ投げられるブランクスルーのリールシートはすぐに気に入った。

何より安心だったのがリールを止める機構がしっかりしていたこと。
Fujiガングリップのような危うさがなく、コイン不要で装着がしっかり出来たことが進歩だった。

90年代に入るとFujiもどんどんブランクスルーのリールシートを発売して選択肢がぐんと広がった。
リール脱着が確実なのはもちろん、色々握って感触が良いのを選べる利点もあったが、ブランクスルー故にオフセット量が徐々に少なくなって今までのリールの腰高感が浮き彫りになってきた。
新しく発売されたリールはどんどんロープロファイル化して、リールフットはボディーにどんどん喰い込むのが主流になっていく。

ここら辺でベイトリールとリールシートの相性問題発生。

ベイトの竿とリールの組み合わせがパズルになったのがこの時期だ。
竿とリールが一体化しているベイトタックルならではの難しさ。

相性問題で上手く行かないリールもあるけど、中には守備範囲がとても広いリールもある。
手持ちの中で最も守備範囲が広いのが、この黄色のPixyなのだ。
全てにおいて最高ってワケではないが、どう組み合わせても「不可」にならないマルチプレイヤー。




ベイト難民村2008キャンプで集まったときに一番人気なことに驚いた。



並べてみたら黄色のPixyが三台・・・・。
次は一体何台並ぶのだろうか??(笑)



Daiwaか?shimanoか?それとも?
リール選びで最もよく見る葛藤はDaiwaとshimano どちらを選ぶのか?
中には「あなたは一体どっち党なのか?」と問う人もいるかもしれない。

自身の少年時代はDaiwa党だったけど、それはお小遣い防衛のため他メーカーの誘惑を断ち切る手段だったように思う。
初めてのshimanoベイトはカルカッタ50XTだったけど、当時のDaiwaに300g近いベイトリールしかなく、小型のベイトリールの魅力にまいってしまった。

どこのメーカーが作ったかよりも、

どのくらい要求やら欲求を満たしてくれるか?

使えないギミックを廃し、軽くコンパクトに仕上がったカルカッタは当時のエポックメイキングだった。
Daiwa以外にもABUから乗り換えた人も多かったんじゃないかな。
周囲でも久しぶりに会った釣友達がいつの間にかカルカッタを持っていた。

カルカッタの遠心ブレーキ(SVS)は意外なくらい好感触で驚いたけど、こいつの泣き所はブレーキ変更する仕組みだ。
カルカッタ50XTはスプールまで外さないとブレーキ変更が出来なかったのだ。
この時はブレーキ設定の違うタックルをもう一組用意するという、釣具屋さん大喜びなチカラワザでごまかした。時代だよね・・・この辺は。

今でもブレーキの仕組みの違いがDaiwaかshimanoのどちらを買うかの最大のポイントになってるのは間違いないんだけど、使う段階ではリールを乗せたときのバランスについついうるさくなってしまうし、できれば蓋を開けずにブレーキ変更したい。

次のエポックメイクなリールはどのメーカーから出るのだろうか?



とにもかくにも、軽量キャストを風の中でもすることになる軽量小型ベイトリールにはただでさえ要求事項が多い。
ガングリップの偽バンタムにようやく一巡して乗ることになった黄色のPixy
どんなフィーリングを見せてくれるのか楽しみだ。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 22:29Comments(15)ベイトリール

2009年05月14日

メタマグその後【使用感】

放置すること2ヶ月あまり。ご想像通り?釣りに行ってないのでネタもなし。
今回は1回目のインプレから1年半以上経過して、ようやく2回目をお届けするリールのインプレです。

出番少なめなリール
購入が2007年の11月だからもう1年半以上になるわけだが、使用履歴はそう多くはない。
何故ならファーストインプレッションでカタログ値(170g)にない重さを感じてからは、バランスの悪さをどう解消するか?という欠点の解消がメインであり長所を見出すところまで行かなかったってのが正直なところ。

左の空間部分に約10gの重りを入れ、静止時の左右バランスは取れた。


でも、テストにてキャストしたフィーリングを率直に述べれば、

  左右バランス以外の何かがあるよね?

という感じでイマイチ納得できない感じが続いていたのだ。



右手シングルハンドキャストとの相性
私のキャスティングスタイルは右手シングルハンドキャスト。
最も古典的なベイトキャスティングのスタイルとは思うが、それがメタマグにマッチしていないんだ!と気がつくのにとても長い時間を要した。

その原因に気が付くまでに手持ちのリールと取っ替え引っ替えして試したのは言うまでもない。

Daiwaのギヤの張り出したリール(Pixy)では違和感を感じない。
だけどshimanoのギヤの張り出したリールで

 違和感を感じるのはどうして?


ベイトキャスティングリールの場合、手に感じる重さとは手首なり肘(ひじ)なりを支点にして、リールの重心位置が支点からどのくらい近いか?(遠いか)が大きく関係していると思う。

Pixyはギヤが下に張り出しているのに対して、メタマグはかなり前方に張り出しているために重心位置が前にあると感じる。もっとも手元に重心がある丸形リールと比較すると、メタマグは本体重量は軽くても、手首を軸にしたシングルハンドでは遠く(重く)感じてしまう。

【参考】

シングルハンドの支点=手首


ダブルハンドの支点=肘



前後に長いメタマグに重さを感じたのは、シングルハンドキャスト故の現象だとやっと原因が分かったのだ。
現代ベイト竿の多くがセパレートハンドルを採用しているのは誰しもが知るところだろう。
私はシングルハンドを通してきたため、ダブルハンドの投げ方を知らなかった。
Daiwaよりshimanoの方がギヤが前方に張り出している分、Pixyで感じなかった違和感をメタマグには感じたのだと思う。



shimanoはそれを知っていた
昨年夏に作った竿はノスタルジー溢れんばかりのFujiガングリップの竿。

原点回帰、非力なロッド、曖昧なコントロール

ブランク以外は当時のまんまの「これぞ!」なスタイル。

メタマグを取り付けようとして焦った!



 なんと!どうしても取り付けできない!えーっ!!!

   Fujiガングリップに付かないなんて・・・。

自身の育ちを表すようで気恥ずかしいが、右手シングルハンドキャストの原点はこのFujiガングリップにある。

・・・

しばしの虚脱の後に思い直したのは、Fujiガングリップは既に古典であり、2007年当時最新のメタマグが取り付けられないのは時代の流れ。

邪魔になる部分を探していくと、それには付きません的な障害物(シャフト)があるではないか!


メタマグはシングルハンドキャストには向かないよ・・・。
そう、shimanoはそれを知っていたのだ。



その後のメタマグ
現代的なダブルハンドの竿にメタマグを乗せて、ぎこちなくもダブルハンドのキャストをしてみた感じは「全然重くない」。

リールを傾けないで投げる剣道の面のような投げ方も覚えた。

シングルハンドのキャストにおいては、「ゆっくり飛ぶこと」がアキュラシーの観点から重要だった。
ダブルハンドはそういうスイングは根本的に出来ない。
ヒュ~ンとかヒュンと振って竿のベリーに重さを乗せた投げ方は出来ず、ダブルハンドでビュッ!と振り切る感じになる。

もちろん今までよりもルアーは高速で飛び、スプールは高回転で廻る。

最初は遠心ブレーキ+メカニカルブレーキのセッティングが分からず、飛行中にガクン!と止まるバックラッシュに悩まされた。
遠心ブレーキを変えずにメカニカルブレーキを締めて飛行中のバックラッシュを押さえようとすると、今度は飛距離が出なくなった。

バックラッシュの危うさは、へなへなのPEラインを使う場合においては滑らかな回転できないせいか、それが飛距離を大きく奪ってしまう。

メカニカルブレーキをゆるめ、シングルハンドの設定から遠心ブレーキのコマを2つ増やすと、明らかにスムーズさが増し滑らかになった回転は飛距離を大きく伸ばしてくれた。

アキュラシーはないが飛距離を優先するならダブルハンドが圧倒的だ。
今のところ飛距離優先のシチュエーションは身近に多くないが、ベイトキャスティングの飛びを楽しむってのも、もはや欠かせない楽しみのひとつだ。

スリルを兼ね備えた力任せのキャストはかなりの爽快感を伴う。
おっさんの体力など知れたものだろうが、時折フルスイングして発散するのも悪くないかな?というのが、現在のメタマグへの感想なのだ。


シマノ(SHIMANO) メタニウムMgシマノ(SHIMANO) メタニウムMg
もっとオートマチックに飛ぶのはあるけれど、遠心ブレーキのセッティングが決まったときの「爽快感」はこういうタイプの方が大きいね。
  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 07:20Comments(12)ベイトリール

2009年02月28日

Aを目指してaをつかんだ男【定番orレア?】

長らくご無沙汰しておりました。落ち着くまでもうしばらくかかりそうです。

Aというリール30年くらい前にルアーフィッシングが流行り始めたしょっぱなから、Aというリールはあった。そう、Aクラスのリールとして今尚ファンの心を掴んで離さない

ABU Ambassadeur....

このベイトリールを真似した会社は数知れず。
そして少年は真似っこのMというリールに目を付け、さらにMでも一番安いリールで入門した。
正直に言えば、最初から高価なモノなんて必要ない。
「使いこなせるかどうか分からないシロモノ」に投資できる金額が低いのは当然のことだ。

もちろん、

当時でも高価な機種には「バックラッシュを防ぐ」、遠心ブレーキやMAGブレーキなんてのが付いてた。
入門者だから技術も自信もあるわけがない。
「バックラッシュを防ぐ」ってのは入門者にとっては強烈に魅惑的なコピーで、そういうのが欲しくして欲しくて仕方なかったけれど、そういう付加価値には・・・やっぱ値が張るワケよ!ははは。

いつかはクラウンならぬ、いつかはABU・・・・なんだけど、

実は未だに ABU Ambassadeur...は持っていない。


Ambassadeurに行けない心
Ambassadeurにレアな何かを求めているわけではない。
タマが見あたらないとかそういうことでもない。
投げる自信が無いとか?・・・それもない。
飛距離とか巻き心地とかギヤ比とか、そういうことでもないの。

でもって、アンチABUってわけでもない。
不思議と買えないその心は、

おそらく元々対極にいるのよ。

コインの表と裏、線路のレール、右と左・・・・
Ambassadeurとは、もしかするとそんな関係なのかもしれない。


これもAではあるが
DaiwaのAlphas?それともshimanoのAntares?
いやいや、新しく出たAldebaran???

違うんだな・・。












実は最近手に入れたのは、これなのだ。




abumatic275... 235g

Aなんだけどaっていうの?わはは!
276には興味がないが、275を見てしまいついつい手にとった。

軽いのを投げるのも良し。
子供に持たせるのもまた良し。

まだ使ってないけど、遊びの幅が広がるかも?という期待がそこにある。
どんな遊び方が見いだせるんだろうか?
決まり切った遊び方もあるが、新しい遊び方を考えるのも釣りの楽しみ方のひとつだ。

  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 23:37Comments(15)ベイトリール

2009年01月04日

時空系チューニング【ベアリング減らし】

あけましておめでとうございます。
今年はマニアック記事を増やしていきたいと思っていますので、是非ともよろしくお願いいたします。

時空系の人たち
世界三大発明には残念ながら含まれていないが、「軸受け」と言えばリールを使うアングラーには、もはや欠かせない機構である。
ボールベアリングと言った方が通じやすいか。
しかし、昨年この記事を読んでからは、

ここにこだわる人たちを、あえて「時空系」と呼びたい(笑)

80年代後半、ベイトリールのカタログに「5ボールベアリング」という表示が踊った。
このモデルはその一つ後だけど、ベアリングが多ければ回転がスムーズというのが常識だったから手にしたときは心も躍った。



その後ベアリング搭載数はどんどん増えてどこにどう入っているのか?と言うほどになったが、やっぱり気になるのは「スプール周り」のベアリング。

スプールのシャフトに「3つ」ベアリングが入っているのってすごくね?
「そりゃースムーズに回るだろう・・・。」

誰もがそうしてベアリング数を気にするようになる。



現役最後のスプールシャフト3ボール
カルカッタ50XTは、手持ちの中では最後のスプール3ボール機だろう。


何故なら、スコマグも、ピクシーも、メタマグだってスプールを2ボールベアリングで受けているし、新しい機種はどんどんそうなっているからね。

1つの軸を2つの軸受けで受けるのが基本であって、3つの・・・というのは実は不具合の方が多い。
精度が上がれば上がるほどたわみに弱かったり、経年変化なりで異音が発生しやすいのは3ボール。
5輪車なんてのを想像すれば、1つの軸に3つのタイヤがある方が不安定なのは明らかだろう。

ある時からカルカッタ50XTはキャスト時に、ガラガラは大げさだがガラゴロ感が出るようになった。
巻くときには感じないガラゴロ感、・・オーバーホールしても治らない。

【パーミングカップ側のベアリングもAR-Bに換えてみた】


でもダメ!

スコマグは使い込んでもキャスト時のなめらか感があるのに何故??

もしかして?と実験をしてみる。



メカニカルブレーキのベアリング?
メカニカルブレーキにベアリングなぞ必要ないのは、構造を知っていればすぐに分かる。
スピニングのドラグ(スプールベアリング)とは、雰囲気こそ似てるが全く異なる機構である。
スコマグやメタマグのような新型機は、フレームをワンピースにしてスプールの駆動側のベアリングを廃しメカニカルブレーキの近くにベアリングを入れているが、カルカッタ50XTはここにベアリングが1つある。



結局、メカニカルブレーキ近くの3つめの小さなベアリングは邪魔にしかなっていない気がするのだ。



予備はあるし・・と軽い気持ちで、3つめのベアリングを外してテストに出掛ける。




テストの結果は・・・
まあ、何だったの?

というくらいにあっけなく、テスト結果はワンキャストで判明。
あれぼど治らなかったキャスト時のガラゴロ感はすっかり消えた。


(画像はメカニカルブレーキのキャップを外した図)

ベアリング数ってスペック偏重で喰いついた5ボールベアリングだったが、意外にもそれは5輪車みたいな・・いびつな格好だったのかもしれない。

カルコンあたりはもしかして??(笑)

今年のスタートは時空系の人たちに贈る 超マニアックな?ベアリング減らしチューン(笑)

もしもベアリングを入れすぎた人は試してみてはいかが?

  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 20:47Comments(14)ベイトリール

2007年11月05日

新しいリールに感じたことは・・

今どきのメインギヤの超張り出したリール
ここの所、ブログの更新はしないまでもチョコチョコと釣りには出掛けていた。
釣果は良くなかったり悪かったりなんだが(笑)、ポロポロ釣れる時合いの短さからすると、まだシーズンは本格的ではないようだ。

今年の夏は暑かった・・。

季節がなかなか秋に移行しない今日この頃、マンネリ打破!の思いもあって新しいリールを買った。

【NEW メタニウムMg】


右投げ右巻き、あの170gの超軽量リールだ。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 21:10Comments(18)ベイトリール

2007年05月11日

ドラグにまつわる意外な話

ドラグの効き方滑り方
元々BASSではドラグを目一杯絞め込んでいた。
だからドラグの話をするのは、BASSじゃなくて管理釣り場のトラウトの話。



手持ちの竿が柔らかくなったおかげで・・・軽い力でもためていられるワケで

これからはドラグ設定を軽くできる!(笑)

ドラグを絞めれば絞めるほど腕は辛いからね!

次回の釣行は、すそのFPを予定しているが・・スコーピオンMg1000ではなく、黄色いリベルトピクシーを使おうと思っている。

理由は・・・ドラグの効き方滑り方の違いだ!  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 23:40Comments(14)ベイトリール

2007年02月19日

ベイトリールの性格 【スペックでは語れない】

ベイトリールをスペックで評価してはいまいか?
釣り具に関するカタログ表記は「夢」はあるけど、本当に知りたいことは書いてない。
それどころか、「XX専用」と表記するだけで、お客はその釣りをするときには、「新しく買う」こともあるんだから、宣伝媒体における表記はあまりアテにはならない。

道具の性能について、そんなに高性能を追求し無さそうな?無関心そう??(笑)な「三ツ木左右衛門」だけど、「ベイトリール」については、メチャメチャこだわる。
トラウトの管理釣り場で、「カルコン50S」ではなく「スコーピオンMg1000」を使うのは、スペックやカタログを見てのことではない。
【clickで拡大】


スペックでは語れない性格の違いや、対応できる許容量の違いから、スコーピオンMg1000を選ぶ理由があるから選んでるのだ。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 22:43Comments(10)ベイトリール

2007年01月26日

2回のプレゼント 【廉価ベイトリール】

1990年のセカンドリール
1990年頃はベイトリールは、もっぱらDaiwaの三ツ木左右衛門。
当時、Daiwaは TEAM DAIWAブランドを全力で立ち上げるべく、超大物工業デザイナー・ジウジアーロを擁したTD-1hiをメチャメチャに売りまくっていた。

ランボルギーニ・カウンタックやSUZUKIカタナなど、日本の少年達は、何故かジウジアーロにはメロメロだ!(笑)

TD-1hiが2万円以上したのに比べ、活躍の場を「海」に移した「ミリオネア」は、最低ランクのST-10(画像がないので似たようなの)は、新品でも ¥3,500- という超破格値!

TD-1hiが290gもあったのに、ミリオネアST-10は200g台前半・・・。

TD-1hiに「少し重いだろ?」と感じていたから、釣具屋で海用棚に陳列されたミリオネアには興味を引かれた。「詳しく知りたいから展示品の中を見てもイイ?」と釣具店のおばちゃんに頼んで、ミリオネアのフタを開いてよく見ると・・・。

中身は、スプールを受けるのがベアリングではなく、ブロンズメタル。
径は、TEAM DAIWA TD-1hiのベアリングが入りそう・・。
ブレーキシステムもTD-1hi同様だ・・。

1つ上(GS?)のミリオネアは、¥5,500-・・・スプールを受けるベアリング2個が違うだけ。後はロゴやら塗装がちょいと違うくらいか?
ベアリング2個が注文で¥1,000- だから、値段でも「ST」がチョイお得。
自分でいじる機体としては・・、と考えたら最低ランクの「ST」を選んだ。

かっ飛びリールにチューンするなら、ロゴマークはなるべく低ランクが望ましい(笑) 出来るだけ低ランクのリール(外見)をチューンするのが、最もオモシロイのは何故なのか?

そこには驚き!が隠れているからに違いない  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 08:00Comments(6)ベイトリール

2006年10月15日

TD105Hi 【DAIWAが敗れた日】

'90年代中頃、空前のバスブーム到来の時代

東京に出てきてすっかり行かなくなったバスフィッシング、再度道具を買う気になったのは同僚がハマったバスブームだった。
5年も前の道具からは進化しているだろう?と、TD1Hiの後継機種、TD105Hiに手を出した。
薦めもしなかったが同僚も同じモノを購入していた。



形状はTD1Hiそのもの、使い慣れた名機の正常進化バージョン。
興味は5年前に願っていたスプールの軽量化が行われたこと。
軽量化されたスプールがどのくらい効くのか?

色が青緑でなんだかなぁ~ってのは、その軽量化よりは、少しだけどうでも良いことだった(笑)  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 00:01Comments(0)ベイトリール

2006年09月30日

意外だったマグフォースV 【DAIWAベイトリール】

何ヶ月か前にDAIWAのベイトリールを中古で買った

その目的は、・・・マグフォースVを使ってみたい!
10年ちょっと前に、SHIMANOのSVSタイプのベイトリールを買ってみて、そのブレーキの効き具合の違いに驚き、急にDAIWAに興味が無くなったことは遠い昔の話だ。

そう、マグはモターーーっとした感じで、フィーリングは圧倒的にSHIMANOの遠心ブレーキ(SVS)の方が良かったから・・。

釣りを再開してSHIMANO スコーピオン1000Mgを購入したものの、やはりDAIWAの新しいMAGブレーキ=マグフォースVは気になっていたのです。

ヤフオクで落としたのは、コレ、リベルトピクシー2004



さあ、試してみようじゃないの!  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 15:06Comments(6)ベイトリール

2006年07月04日

4X4 SVSの真理(スコーピオン1000Mg)

現在メインタックルで使用しているベイトキャスティングリールは、シマノ スコーピオン 1000Mg。今年に入ってから購入した。


シマノ スコーピオン Mg 1000●ギア比:6.2:1
●最大ドラグ力:4kg
●標準自重:175g
●ボールベアリング数:4個
●ローラーベアリング数:1個
●糸巻量:3号-100、3.5号-90m、4号-80m、5号-65m


●超軽量マグネシウム一体成型フレーム、超々ジュラルミンメインギア&メインギア軸で強度を持たせた軽量化を実現
●ベアリングはサビに強いA-RBを採用
●3つのSVSのON/OFFと4段階のダイヤルでのブレーキ調整を可能にするシステム 4×4SVSで16段階の調節が可能。

ほぼ10年ぶりに購入したリールだ。

前回(といっても10年前)は、カルカッタ50XTを一目惚れして購入したわけだが、今回は もうこれだろう!!って機能の目玉があった。

それは・・・

4X4 SVS という 遠心ブレーキ。

なんと!、遠心ブレーキがダイヤル調整できるというのである。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 20:46Comments(5)ベイトリール

2006年06月03日

ベイトキャスティングの理屈に迫る その2

予定通り、その2のテーマは「遠投」

遠投と言っても、重くて空気抵抗の少ないルアーを長い竿で力一杯投げる話では芸がない。

普段使っているルアーを

  いかに遠くに飛ばすか?


この線でしょ?やっぱり!


説明しやすいように、まずはリール選び。

竿の話はもうチョイ後だ。

仮に、自分のルアーがどのくらい飛ぶか検証して欲しい依頼者がいたとしよう(初心者の友達とかでいるよね)

ルアーは、3/16ozクラスのペンシルベイトかポッパーで、目の前に3つのリールが置かれたら?

3つのリールはブレーキがそれぞれ、遠心とマグとマグフォースVで重さやスプール径が似ているもの。


あなたならどれを選ぶ??


三ツ木左右衛門なら、遠心でもなく、マグVでもなく、古くからのマグを選びます。

エエェッ?と思うでしょ?

ちゃんと理屈があるのです・・・これには、

その1で出てきたこのグラフ


遠投で使用する回転数は、ピンクの常用域の更に右側の高回転の域です。
遠投時のブレーキ曲線

某D社の昔のグラフに近いけど、要は遠心ブレーキだと 高回転域でブレーキが利きすぎてスプール回転が上がってくれない。
これは東山湖で試したときに、遠心は力入れても 数メートルしか変化がなかったことからもわかる。

遠投の飛距離は、物理的に 初速と射出角度で大方決まってくる。
ブレーキの抵抗は何も減速時だけではない。
加速時にも効いている。

だから高回転域でブレーキが比較的利いていないマグは、遠投時の力加減に応じて それなりの初速を得られると思っている。


ここら辺からチョット特殊な話?になってくるが、初速を得られたとして 高回転時のブレーキ力が足りないマグでどうやってバックラッシュを防ぐか?

・腕の軌道を なるべく押す形にして 振らないようにする
・フォロースルーで腕を目一杯伸ばす
・竿をルアーの軌道より下に振らない(ティップも下に入らないように)

ここまでは一般的なバックラッシュを防ぐキャストと同じ、

そして、

・ルアーの弾道を 30度程度にする (時計の2時方向)
・弾道が上向きの時は、ビミョーにサミングし続ける(糸がふくらむのが分かる程度)
・弾道が上向きの時バックラッシュ気味でライン放出し、弾道が下向きになって マグが必要以上に効き始めてバックラッシュが収束するのを待つ(サミング無し)
・スプールが失速する頃に、残ったバックラッシュ分の糸をルアーが重力で落ちる力で放出する。

結局、軽いバックラッシュを起こしながら投げて、キャスト前半の速度があるときに距離を稼いでしまい、キャスト後半でバックラッシュを自然消滅させる かなり危ない投げ方になる。

バックラッシュは、スプール表面だけで起こるわけではなく、かなり深く何回転分も猶予がある。
実際、軽いバックラッシュでもスプール何回転もの深い位置まで糸が余っているわけで、この猶予を使ってあげようという発想がマグならではの遠投方法になる。


ここまで極端ではないにせよ、ZPIとかのチューンメーカーが マグを採用するのは こういう投げ方でとにかく距離を出せるからだと思う。

ダイワ リベルトピクシー 2005リミテッドカラー 【ZPIカスタム仕様】
ダイワ リベルトピクシー 2005リミテッドカラー 【ZPIカスタム仕様】


これは ZPIのマグ・スプールと 標準スプールが付いているから マグとマグVの比較も出来る。


少し竿の話もしないと片手落ちだから書いておこう。

力入れて投げる遠投の場合、タヨンタヨンの竿では上手く行かない。
ビシッと張りがある竿でないと、結局 初速を得られない。


ダイワ PRESSO(プレッソ) 63LB-S
ダイワ PRESSO(プレッソ) 63LB-S


こういうビシッとした竿が、マグでの遠投には必要




こうやって見ていくと、ダイワとシマノで考え方が大きく違うことに気がつく。
エリア用の両者の代表的なベイト・タックルはこんな感じ

シマノは、遠心でタヨンとしたショートロッドを使って、軽く投げてある程度ピン・ポイントを釣る
シマノ(SHIMANO) CARDIFF カーディフ 50UL-B
シマノ(SHIMANO) カルカッタ CONQUEST(コンクエスト)50S【シャロースプールタイプ】

ダイワは、ピンポイントは狙わないが 大きな池で思いっきりキャストしたい。
ダイワ PRESSO(プレッソ) 63LB-S
ダイワ シルバークリーク プレッソ(SC PRESSO)【ベイトリール】

遠心での遠投セッティングもあるだろうけど、それを書きたい人はトラックバックして頂戴!  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 23:23Comments(4)ベイトリール

2006年06月02日

ベイトキャスティングの理屈に迫る その1

最初に登録したもののほとんど使う機会がなかった「ベイトリール」のカテゴリー。ホントは書きたかったことがあったのだよ・・・。

3g程度のプラグをベイトでキャストできる!と某社が宣伝していたのが1982年頃。

この時代には、とても驚異的なことで 何がどうなったら3gがキャストできるのか?と、誰もが興味津々だった。

ここまで書いたら 本題はピンと来るだろう。

そう!マグネットブレーキ。

某D社のカタログには、こんなグラフがあった。覚えてる?
メカと遠心とマグのグラフ

某D社のセールストークは、

メカニカルブレーキだけでは、高回転域でブレーキ力が不足する。
遠心ブレーキでは、高回転域でブレーキが利きすぎる。
回転に伴って一次曲線的にブレーキ力が上昇する マグネットブレーキがバックラッシュも起こさず 遠くに飛ぶ!
しかも、フタを開けずに 10段階ですぐに調節が可能!
だからミノーを投げるときには チョイとブレーキつまみを廻せばバックラッシュは回避できます!

こんな感じだったと思う。ある程度の脚色は許して(笑)


確かに マグネットブレーキのおかげで ベイトキャスティング・リールは取っつきやすくなったし、2台目のベイトリール以降はマグを購入した。
釣り場でルアーチェンジの時や風が吹いたときに調整できるマグはやはり使いやすかった。
80年代はマグ全盛で他の選択肢も無くなるほど・・・。

で、90年代に入って 今更遠心ブレーキを 持ち出したのが ライバルS社。

「何故に今更 遠心ブレーキ??」の声もあったが、SVSという機構で フタは開けるものの 調節の出来る遠心ブレーキは魅力だった。
マグのモタッとした感じが好きになれない人も多かったし、某D社の例のグラフは本当にそうなの?というのは いつも心の奥底にはあったから・・。

実際、SVSのリールを購入してみて なんとなく例のグラフの描き方がおかしいのに気が付いた。

本当はこんな感じじゃないか?

ピンクの縦帯は、大体このあたりが常用域の最高回転数を表している。

物理的には、キャスト直後のルアーの初速とブレーキ力は マグであろうが遠心であろうが、大体同じ程度にならないとおかしいから、回転数とブレーキ力はこの程度のグラフ範囲に収まるはずだ。
極端にブレーキ力が違っていたら、ブレーキが利いてる方は飛ばないでしょ?

キャストしたときの軌道がそれを物語っている。
ちょっと微妙すぎる?

これは、1/4oz(7g)から3/8oz(10.5g)程度のプラグを、20m程度キャストしたときの軌道を、三ツ木左右衛門の見た目でこんな感じだろ?って表現したモノである(笑)

ま、細かいところはチョット大目に見てくれ。

微妙な違いに見えるが、

赤の楕円ゾーンが 障害物で、緑の楕円ゾーンが狙ったポイントだとしたらどう?こんなシチュエーションはいつものことだし、大体想像はつくよね?

マグは木に引っ掛かりそうになるばっかりで、狙ったスポットに入りにくい。

しかも、同じ距離を投げる場合は、マグの方が力を入れて投げないと届かない。

だから初速も早いし、時間経過を表している点々は、マグの方が先行する形になっている。


ちょっとまてよ?

緑のスポット、飛び越してない??


・・・そうです。

ベイトならではのサミングについては、このグラフには描いてないからね。

じゃあ、シミュレーションしてみよう。

マグは、左から2つめの点の位置でサミングを開始して木に引っ掛からないように軌道変更し始める。
でも、狙ったスポットまでには遠すぎるから、強くサミングすると届かない。
じわーっと軌道を変えていく。
そして、スポット近くでは失速していて サミングしようがしまいが似たようなところに落ちる。

遠心はどうか?
3つ目の点の位置で 木を意識しながらチョットだけサミングするかしないか微調整が始まる。
2つ目でサミングしたマグと違い、3つ目だからチョット余裕もある。
4つ目から5つ目にかけてスポットに落とすためのサミングをする。

こういう感じで、ピンスポット狙うには、マグより遠心の方がずっと狙いやすいわけだ。

更に言うと、この軌道の関係でマグは更に力を入れて投げることになる・・山なりキャストじゃなく、直線的に投げ入れる感じにね。
竿もカーボンの張りがあるヤツでビシッと力入れられるのが良い。

というわけで、その1は、ここまで。

遠心の方がピンスポットは狙いやすいって話。

その2は、遠投の話でもするかな・・・。  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 21:01Comments(4)ベイトリール

2006年04月03日

TEAM DAIWA TD1Hi

大学3年の時、近くにブラックバスの釣れる農業用のため池があることを知った。

懐かしい道具を持って行ってみると1匹だけ釣れた。
自己新記録の37cm!
これがまたバスにハマるきっかけになり、当時としては型遅れの PHANTOM マグサーボSS10を購入。
使っている内にアンチリバース機構が壊れてガリガリ音を立てるようになってしまった。新しく買うべきか迷っていたところに、タイミング良く出たのがコレ


やたらと平べったい
デザインしたのは、かのランボルギーニ・カウンタックをデザインしたルイジコラーニ。
なるほど、カウンタック風なわけだ



当時画期的と思ったのが、インフィニティーアンチリバース機構。
今では当たり前だが、当時は1/8回転くらい逆転するのが普通で、こんなにカチッと止まる逆転ストッパーのリールは無かった。
持ってみると 非常に重たい(約300g)、しかし格好良さとアンチリバース機構に負けた。

レベルワインダーに糸を通しにくいかと思ったら意外と考えてある。


当時としてはめちゃめちゃ速いギヤ比 6.3:1も使ってみると非常に機能的
5ボールベアリングもめっちゃスムーズ
ハンドルの素材もカチンコチンじゃなくて、なんかふわっとしてる
デザイン重視と思ったら 機能的に非常に素晴らしいリールで感動した。

ふたの所の TEAM DAIWAのロゴと ●●●● のストロボマークはすぐに消えたけど格好良さは変わらなかったよ(もちろん自分の中で)

使った人なら分かる削れるところ


この頃の釣り方と言えば、陸っぱりが普通。
もっと遠くのポイントを狙うために、ベアリングの金具を外してオープンにしたりオイルも柔らかい物に変えるのが流行った。

当時としては業界初の新機能が盛り沢山、
その新機構は、今のベイトリールの基本機能になっている。
現代ベイトリールへの大きな一歩を踏み出した TD1Hi
こいつはいつまでも記憶に残るリールになった。

いまでは釣り場にこそ行かないが、糸のストック用として新しいリールと糸のやりとりをしている。
その様はまるで対話でもしているかのようだ。



その当時読んでいた本、ベアリングの改造はコレに載ってた
  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 21:27Comments(2)ベイトリール

2006年03月30日

初めて買ったベイトキャスティングリール

ブラックバスのいる農業用ため池が近所にあることを知ったのは、転校した中学2年の冬だった。
当時 冬は釣れない魚として、春になるのをみんなで待ったものだった。
待ってる間ってのは、釣りキチ三平の川釣り入門を 冬の間ずーっと熟読してました(笑)


しかも、ブラックバスの数ページのみ(笑)
(釣れる月ってのが 色が付いていた記憶がw)


持っている道具は、ガングリップタイプの振り出し竿とスピンキャストリール

ベイトキャスティングリールなんて中学生が持っているだけで 周囲から尊敬の眼差しで見られた時代だ。
初心者のおいらが持っているわけが無い(笑)

バックラッシュ(当時はパーマとか言ってたな) という世にも恐ろしい現象が発生するリール
その場で即釣り不可能になったうえ、糸を買い換えないといけない・・・ 相当のテクニックが必要とされ恐れられていた(?)憧れのリールだったのである。

この年、15匹のブラックバスと 2匹の雷魚を釣り上げ、冬にはベイトキャスティングリールがどうしても欲しくなった。
当時一番安かったベイトリールは、ダイワのミリオネア GS-1000 だったが、これでも6000円もする。
ノーブランドのスピンキャストが 980円で売っているのに、親が認めるわけがないのである。
( うちは貯めたお小遣いの使い道も報告制で 許可がなければ買えなかったのだ)

すると、ダイワから ミリオネアの新しい しかも激安のリールがでた。
ミリオネア ST-1000 お値段なんと 3000円!!

父親が宝くじ10枚3000円を買うときに、おいらも3000円の買い物がしたいと申し出てやっと許可が下りた。



ドラグもないし、ベアリングもなく(ブロンズメタル)、遠心ブレーキもない、ハンドルもかっちょ悪いが

クラッチが付いてレベルワインダーがあればもう満足だった。

小さくて軽量なスプールと、投げたとき高速で往復運動するレベルワインダーが丁度ブレーキになって、ほとんどバックラッシュしない優秀なリールでした。

実は、このリールでブラックバスを釣るのに 5年くらいかかってしまった。
買った冬に高校を越境入学したおかげで、ブラックバスのいる池がない地域に引っ越してしまったからだ。
このリールには 魚を釣った想い出よりも、キャスティング練習をしたり、メンテナンスをした想い出の方がずっと多い。
今では とっくに現役を引退して 釣りに使うこともないが、大切に飾ってあります。

時々、このリールを リサイクルショップで見かける 中古釣り具ではなくホントのリサイクルね(笑)
買ってドウコウするわけではないのだが、ついつい、それに見入ってしまう。

初めて使った道具で 自分の基準が出来るのは世の常だが、小型の丸形リールが好きなのはこのリールのおかげと言っても過言じゃないな。


プロックス グローバルラウンドキャスト 1000R
プロックス グローバルラウンドキャスト 1000R


値段と姿を見て、ミリオネア ST-1000を思い出してしまった。



  


Posted by 三ツ木左右衛門【mickey_symon】 at 21:10Comments(0)ベイトリール